本書の発刊にあたって

1.パターンメーキング教育の現在と未来
私が40数年前に学んだパターン技術の根幹スキルは、今現在でも大きく変わっていないように思います。
しかし、ITの進展によって、当時とは比較にならないくらいの変革がパターンメーキング技術教育に、もたらされました。
従来のハンドによるパターンメーキング方法や作成プロセスについての、口伝えや講師の技を見て、対面で教わるという授業スタイルから、アパレルCADを使用することで、場所や時間に拘束されないITの特性を生かした省スペース環境で学ぶことが可能になりました。


2.デジタルトワルの可能性
その中で大きな役割を果たすツールが、デジタルトワルです。
ハンドで作成するトワル組み時間に比較して、約1/10 という徹底した作業時間の縮減化が図れるという魅力があります。
当然原材料を使用しないため生地コストの削減も図れます。省力化のメリットだけではなく、作業プロセスを好きな段階で保存・復元したり、ベテランのパターンメーカーの作成スキルをビジュアル化して登録しておけるため、プロのパターンメーカー養成に新なウェィブを起こすことが期待されています。


3.本書の特徴と活用方法
専門学校教育に長年携わってきた私の経験から、解りやすい教科書コンテンツ編集にポイントをおくとともに、「テーラードがこなせれば一人前」と言われるようにテーラードジャケットはパタンメーカーにとっては恰好な教材ですので「レディーステーラードジャケット編」として発刊しました。
読者の皆様方には、「デジタルトワル」という最新のスキルをお使いいただく上で、本書をご活用いただければと思います。
また、出版にあたりまして東レACS株式会社の皆様には、ソフトの使用方法にはじまり、多くのご協力をいただきました。
ここに、ご指導・ご協力いただきました皆様に深謝申し上げます。


本書の特色
1.アパレルCADの新技術(デジタルトワルチェック)を習得するにはCADパターンメーキングを行う場合、ベテランのパタンメーカーでも合理的、効率的、高品質への業務改善が日々求められています例えば一例をあげますと
(1)ハンドのパターンメーキングにおいても、自力での平面操作方法に納得できない いきおいドレーピングに頼ってしまい日々の作業工程に合理的な改善がみられない
(2)アパレルCADのパターンメーキング・シミュレーションが煩雑で、どのメニューを使い、どのような手順で処理したら良いか標準化がされず、個人技の領域になっている
(3)最新技術である「デシタルトワル」を使ってみたいが、デジタルボディに適合した最適な原型をもっていない、自分のパターンでデジタルトワルを組み立てても、実際トワル組とはシルエット再現での乖離が大きく、アプリケーションの課題とともに、未だに使いこなしていない  などがアパレルCADユーザーから聞かれます


2.それらの直面する課題を解消する一助になればとの思いから、次の2点を特に重視しています
(1)パターンメーキングの方法は、切り開き方法を採用しています
アパレルメーカーで一般的に使用されている工業用ボディから、立体原型を作成し、用途を想定した複数のシルエット原型から、切り開いて個別のデザインパターンを作成する方法を本書では採用しています
(2)アパレルCADを使用して、パターンメーキングのシミュレーション手順をどの教科書よりも詳細に、図解入りで解り易く解説していますので、プロのパタンメーカーの最新技術(デジタルトワルチェック)を用い、省スペースでの2次元パターンメーキングと3次元デジタルトワルチェックが可能となります